2014/04/22
建築通信2014年4月号「防火地域におけるサッシ」
4月以降の消費税アップや、建築資材等の高騰。さらには住宅着工数の減少など、業界においては厳しい状況となっているかもしれません。
その中の一つの要因として、2014年1月より施行された、特定地域や建築物に関して、防火戸を使用する事が挙げられるかもしれません。
今回の建築通信は、ご存じの方も多いかと思いますが、防火戸に関する内容となります。
一つの知識を応用する事で、お施主様への実際的な提案やコストダウンなどをご提示できるかと思います。
個別認定防火戸に関して
「防火地域・準防火地域」に建設される建物のうち、「延焼の恐れのある部分」に設置される開口部には、防火戸(防火設備)を使用する事。用語解説
防火地域・準防火地域とは
住宅が密集する市街地における火災の拡大被害を軽減する為に防火地域・準防火地域を設けています。
- 防火地域=市街地の中心部及び幹線道路に面した地域
- 準防火地域=都市の中心部と郊外の住宅地との中間部
延焼のおそれのある部分とは
- 道路中心線・隣地境界線から1階部分は3m、2階以上は5m以内の部分
- 延べ床面積合計が500m2を超え、同一敷地内に2つ以上の建築物がある場合はそれぞれの外壁の中心線を隣地境界線と考え前項を適用する。
Attentino
- 防火戸は通常のサッシより倍以上の費用がかかる場合があります
- 延焼線外は通常のサッシと併用可能
- サッシにはメーカー別に国交省にて認可された「個別認定番号」が付されます
Check Point
- 延焼の恐れのある部分以外に設置される開口部については、通常のサッシを採用することで、価格を抑える事ができます。
- 延焼の恐れのある部分に設置を予定している開口部でも、開閉形式、サイズの変更、接地位置を変更し、延焼線外に設置する事で、通常のサッシを利用できます。
上記のようにサッシの配置やサイズを工夫する事で、コストダウンができます。
参考価格
玄関サッシを通常品にした場合=上代マイナス約200,000円/式
上記左図のように引き違い窓(防火)を、縦すべり出し窓(通常品)に変更した場合=上代マイナス約150,000円/箇所
※金額は目安です。